成年後見人申立
認知症等になって判断能力を失った後は、次のような法律行為をすることができなくなります。
・預金解約
例:認知症の母の生活費を預かったキャッシュカードで管理してたが、残金が底をつきそうなので定期預金を解約しようとしたところ、「本人の意思確認ができないので、成年後見人と立ててください」と銀行で言われた
・不動産売買
例:認知症の父の介護施設の利用料を捻出するために、父の自宅を売却する必要があるが、不動産業者から成年後見人申立が必要だと言われた
・遺産分割協議
例:相続税の申告のため遺産分割協議を期限までに成立させたいが、相続人の1人が認知症や精神疾患などで判断能力が十分でなく遺産分割協議ができない。
・施設への入所契約
例:施設に入所する契約の際に、認知症等で判断能力がない場合、成年後見の申立てを求められることがあります。
このよう場合に成年後見人が選任され法律行為を代理することになります。
必要に迫られやむなくかつ時間的余裕がないという状況の方が多いのではないでしょうか。
法定後見開始申立ての流れ
- 「どういった注意点があるのかよくわからない」
- 「集める書類が多くて途方にくれている」
- 「どのように進めていいかわからない」
- 「仕事があるので時間が取れない」
などお困りの場合は当事務所にご依頼ください。
費用
司法書士報酬:11万円(税込)
実費:5,000円~20,000円
費用総額として、12~13万程度かかります。
成年後見人選任申立後に、被後見人となる方の判断能力を調査するために、医師による鑑定が実施される場合があります。この場合鑑定費用が5~10万円ほどかかります。
ただし、鑑定が実施されたのは令和3年は約5.5%、令和2年は約6.1%(*1)となってますので、一般的には実施される可能性は低いと考えられます。
*1「成年後見関係事件の概況―令和3年1月~12月―」
注意点:基本的におなくなりになるまで法定後見が続く
相続や預貯金の手続きなど当初の目的であった業務が完了しても、成年後見人の業務が終了するわけではありません。また正当な事由がないかぎり辞任することもできません。
基本的には被後見人がお亡くなりになるまで成年後見人としての業務を続ける必要があります。裁判所の監督のもとで、定期的に通帳の写しや、収支報告書、後見の状況などを裁判所に報告していくことになります。
司法書士や弁護士など専門職後見人が選任された場合は、被後見人の財産から後見人報酬を支払い続けていくことになります。
後見事務開始までの期間
ご依頼をいただいてから、一般的に3~4か月程度は必要です。
お手続きの流れ
1 ご相談
ご予約の上、事務所までおこしください。
状況をお聞きし、お手続きの流れや費用についてご説明します。
2申立の準備の着手
申立人(ご依頼人様)に準備していただく書類をお知らせします。
司法書士が取得できる書類はすべて司法書士が収集します。
3家庭裁判所へ申立
書類が揃ったら家庭裁判所へ書類を提出します。
家庭裁判所から、申立人、成年後見人候補者に連絡があり面接が行われます。
4後見開始
成年後見人選任が確定したら、まずは、財産や収支を計算し、家庭裁判所へ報告する就任報告書作成に着手します。就任報告書作成後、財産管理などの後見事務を開始します。